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サカナクション、幕張ライブはさながらロードムービーのようだった

昨年からチャレンジし続けて、親子チケットでようやくとれたサカナクションの幕張アリーナライブ。7日に行ってきました!


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キャパの大きい幕張メッセの9-11ホールでのライブだけに、開場の16時半には海浜幕張駅周辺も含め、人がいっぱい。同じく幕張メッセで別のイベントを並催していたらしく、女子トイレが全然入れず娘は大変。グッズの列もすごかったので、そのまま会場入りした。それほどツメツメでもなく、ほどよく踊れそうな感じのスペース確保。

 

18時過ぎ、山口さんの弾き語りである「セプテンバー」からスタートし、そのまま「アルクラウンド」「夜の踊り子」「陽炎」までノリ曲が一気に進み、最初から親子ともテンション上がりまくりです。

 

さて、今回の売りは全部で300発というスピーカーを配した6.1チャンネルというサラウンドライブ。低音すごいのは確かなのですが、前回幕張メッセ来たのが電気グルーヴ&Perfumeだったので、音圧的には同じような感じかな。とはいえベースがすごい。最後に山口さんがサラウンドとはなという種明かしをしてくれましたが、いまから考えれば演奏や聴衆のレスポンスにあわせかなり調整されていた気がします。

 

「マイノリティ」と「Aoi」以降の中間部はあえてゆっくり目、歌中心系の曲を意図的に集めていたような気がします。前日のセトリも見ておいたのですが、「ユリイカ」や「蓮の花」もよかったけど、せつなく疾走する「さよならはエモーション」と蜘蛛の糸のような映像との一体感がすばらしかった「years」が素晴らしかった。新曲はこれまでのサカナクションと印象が異なる一風堂風な曲とやっぱりダンサブルな「ピーナッツ」なる曲。いままでのUKロックとエレクトリックの掛け合わせという殻から、ちょっとファンキーな方向に脱却するような印象。山口さんも踊ってた。中間部は観客も音と映像を楽しむような感じで、反応もゆるやか。

 

DJセットで5人が横並びになる「INORI」から後半がスタートし、「SORATO」「ミュージック」「新宝島」(女子たちの躍りあり!)、「アイデンティティ」「多分、風」まで、またまた踊りとシンガロングの渦に巻き込まれます。これはさすがに強力で、聴衆の一体感がすごかった。ミュージックは歌いながら涙ぐみました。ホントいい曲やわー。

 

アンコールは観客の歌が荘厳だった「バッハの旋律を夜に聞いたせいです」と前日やらなかった「白波トップウォーター」(これよかったー)。本編とうってかわって饒舌なMCを披露する山口さんからの告知のあと、エンドロールを流しながら北海道時代の「グッドバイ」を演奏して終了。北海道から東京のスタジオまでの距離を冠した「834.194」というタイトルのとおり、まさに音と映像を堪能するロードムービーを観るようなライブでした。さすがに駅の入場規制かかるくらいで、帰るのは大変でしたがw


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総じてさすがサカナクションという感じで、演奏も映像も素晴らしく、音も前方から時差なく来るので「アリーナ後ろだけが置いてきぼり」という感じもなく、ライブに没頭できました。その上で、蓮の花や陽炎はある意味ゴタイゴ風だなとか(古い?)、アコースティック系はくるりっぽいなとか、新宝島って完全にメジャーになるために大衆曲を作ったんだなとか、改めてサカナの多面性をうかがい知ることもできました。正直、エレクトロとロックの融合は2000年代以降、新旧さまざまなバンドで試されてきたわけで、そこから頭一つ飛び抜けたのは、やはり曲のよさやフレーズの美しさ、演奏能力の高さ、リズムやメロディと一体になって作られている歌詞の強さがあったんだなあと。単なるスーパーカーの二番煎じにならなかった彼らの強さを体感できたライブ。ホント久しぶりのオリジナルアルバムも楽しみです。