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足利将軍をすげ替えた細川政元を描く「天魔ゆく空」

応仁の乱以後、足利将軍をクーデターですげ替えた細川政元を描いた「天魔ゆく空」(文庫本)の上下読了です。


最近は、「北条早雲-青雲飛翔篇」(富樫 倫太郎)を読んだおかげで、すっかり室町ブームです。歴史の教科書的には、応仁の乱が終わって、室町幕府の権威が落ち、北条早雲斎藤道三などの下克上を代表する大名が生まれたという話だと思いますが、応仁の乱から信長の桶狭間まで実は100年近くあり、ここらへんにいろんな地殻変動が起こっています。

 

天魔ゆく空は、この地殻変動の原因を作り出した細川政元の半生を追います。将軍をすげ替え、比叡山を焼き、最後暗殺されるという政元の半生はまさに信長。彼を中心に、優れた女傑だった実の妹洞松、政治を放り出して銀閣でお茶やら、能にこっちゃった希代のバカ将軍義政や、応仁の乱を起こして、さらに収めた義政の正室日野富子などを中心にプレ戦国のドロドロとした政争が描かれます。最後の暗殺に至るまでの経緯がやや弱いが、信長に至る新しい歴史感をえられたということで、かなり満足。

 

天魔ゆく空(上) (講談社文庫)

天魔ゆく空(上) (講談社文庫)

 
天魔ゆく空(下) (講談社文庫)

天魔ゆく空(下) (講談社文庫)