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インチキ陰謀論への圧倒的な怒りに満ちた「陰謀の日本中世史」

すでに40万部を突破している「応仁の乱」と同時期に企画されたという呉座勇一の「陰謀の日本中世史」読了。「応仁の乱」も、あんなに難しい本がなぜ40万部も売れるのかいまだにわからないのですが、こちらも古文書を読み解き、脚色されてない歴史を読み解く手法は同じで、登場人物が多すぎて難解なのは相変わらず。源氏系の平家とか、平家系の源氏とか、ガンダムと戦う敵のガンダムみたいでもうよくわかりませんw 

 

ただ今回は執筆の動機が「ブームとも言える陰謀論への圧倒的な怒り」であることは明確で、「義経は後白河法王の陰謀にはめられた」とか「明智光秀は信長の海外出兵を憂い本能寺の変を起こした」とか、陰謀系で名をあげた学者や在野研究者を方端から名指しでなで切りにしています。この激しさは応仁の乱にはなかった熱さ。オススメしないですが読了感はハンパないです。

 

 

陰謀の日本中世史 (角川新書)

陰謀の日本中世史 (角川新書)