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現役感強し!OUTRAGEライブレビュー

なんと1988年デビューだそうで、もはや日本のヘビーメタルの重鎮。ボーカルが抜けていたが、一昨年に10年ぶりに復帰し、再結成。私も20年ぶりにライブに行ってきました。いやあ、最高でした!

OUTRAGEと私の出会いは、高校時代にさかのぼる。当時、ヘビメタ少年だった私がレンタルレコード屋で目にとめたのが、このOUTRAGEのインディーズのファーストミニアルバム。確か、BURRN!でも高評価だったので、即借りしたのが、最初だった。確かにMETALLICA直系のスラッシュメタルなんだけど、歌詞も英語だし、曲調自体が洋風。ボーカルも男臭く、とてもシンプルかつストイックな音に感銘を受け、高校最後の夏休みに1人目黒鹿鳴館にライブ行ったのを覚えている。ちなみにほぼ同じ時期にXもライブをやっており、どっちに行くか相当迷った覚えがある。

そして、それからほぼ20年。彼らは帰ってきた……。というか、私がOUTRAGEに改めて、戻ってきた。彼らは1990年代もコンスタントにアルバムを出していたもの、私がヘビーメタルから離れていたのだ。再結成のこのアルバムには自らのバンド名を冠し、まさに彼らならではのスピーディで、濃厚なスラッシュメタルが凝縮された。
「Die Hard!」の野太い声で始まる頭打ちの「RISE」から起動し、高速で歌メロがパンキッシュな「YOU CARE? I DON'T CARE」、ひきづるようなヘビーチューン「REIGN」、首を振るために作られたともいえる「UNTIL YOU ARE DEAD 」……。野太いバラードの「SHINE ON」、インストの「TOR」、最後を飾る劇速な「TERRORIZOR」まで。ヘビイで、グルービーで、スピーディーで、とにかく捨て曲なしの傑作だ。ライブでも全曲を再現してくれたが、本当に聴き応えがあった。

音的にもかなり正統派で、変にギターがジャリジャリ、スネアが抜けていたりしない。彼らのアルバムだと、「FINAL DAY」や「BLACK CLOUDS」のような初期の作品が好きだが、このアルバムはどちらかというとパンクやグランジの影響はあまり大きくなく、その点でも初期の作品に近い。まあ、正直過去に聞いたようなフレーズもあるけど、そんなこと気にするな。とにかく橋本の骨太いボーカル、スラッシュよりむしろハードロックを感じさせるギター、派手さより一体感を重視した堅実なリズム隊。この一体感は日本のどのバンドにもないような時代に左右されない最強のアグレッションだ。

ライブでも変に過去の曲ばかりやったわけではなかった。その意味でも、本当に現役なんだろうなあ。

 

OUTRAGE

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