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期待値コントロールがうまくできなかった昨年の失敗

昨年はブログ炎上やギャラの調整ミスなど、わりと痛恨の失敗を何件か起こしているのだが、とある広告案件のイベントがえらく難航したので、反省として書いておこうと思う。今年もこういう案件は来そうなので。

 

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発端は昨年末の登壇案件。外資系企業のイベントの中で、1セッションを受け持ったのだが、ありがたいことにアンケートの結果が非常に高かったらしい。ここまではよかった。しかし、これで気をよくした先方のマーケ担当が、「これならイベントを単体でやっても集客できるだろう」と踏んで、単独でのイベント開催を企画してほしいと依頼してきたのだ。

 

さて困った。正直、イベントの中身に自信はあるが、人が呼べるかというとまた別問題だ。先ほどアンケートの結果がよかったイベントも、集客にはあまり関わっておらず、もともと集客が多かったイベントでたまたま記者が登壇した目立った企画ができたというだけだと思っている。

 

先方は既存のIT部門のひとより、クラウド関係の新しい人に来てほしいそう。でも、示してきたテーマはややマニアックで、単独開催できるような内容ではない。自信がないことも、打ち合わせのときに話した。でも、先方は万単位のハウスリストを持っているので、100人くらい余裕で集まるだろうと言っていた。この段階で、私と先方マーケ担当の期待値のズレが大きなギャップを生み出した。

 

これのギャップに拍車をかけたのが、私と広告担当、イベント会社、そしてクライアントというバケツリレーと役割分担のあいまいさだ。

 

イベントの集客や会場がある程度小規模なのであれば、正直うちでもイベントが単独で運営できてしまう。専門性の高い企画を練ることができないイベント企画会社はむしろわれわれより弱い立場なので、むしろかいがいしく先方との調整役を買って出る。イベントの会場を抑えたり、人員を確保したりオペレーションに徹したがる。両方にも頭が上がらない状態なので、結果いろいろなものがなかなか決まらない。それほど大きな規模でもないのに広告部があしげく調整に走るので、営業コストはどんどんはね上がる。

 

登壇者などのセッションプランを数多く出した結果、スタートアップの社長に出てもらうことにした。場所は日本橋八重洲、品川などのお堅いところをやめ、渋谷のIT系のイベントスペースをセレクトし、7月にイベントを立てたのだが、1週間前になっても集客がほとんどできなかった。結局、3日前に中止を発表した。宣伝もけっこうやったし、会場のコストも負担したので、けっこうなダメージだった。

 

この時点で先方と反省会と次の展開を相談した。テーマがテーマだし、新しいユーザー開拓なので、社内のセミナールームでより少人数でやろうと提案したのだが、先方のマーケ担当は100人という目標を取り下げなかった。低姿勢だった今までが嘘のように、うちの広告担当に「100人集められると言ったじゃないか」くらい激高した。この段階でマーケ担当は数値しか見ていないことがわかり、正直信頼関係は完全に損なわれた。

 

とりあえず受けた仕事ではあるので、再起をかけて10月に開催することにした。もう少し大手企業の登壇者を追加し、会場も日本橋にした。外資エンタープライズベンダーのイメージとして、やはり背広組は日本橋の方がよいと思ったからだ。時間も7月の時は夜だったが、今回は午後にして仕事で来られるようにした。

 

イベント告知を毎日のように掲出し、SNSでの宣伝もふんだんにいれ、個人での集客もがんばった結果、イベント参加者は前より増えたものの、当日は100名まではほど遠い結果となった。1/3くらいだろうか。中身は手を抜かなかったけど、なによりこの参加者では登壇する人もテンションは上がらないだろうと思い、本当に申し訳ない思いだった。

 

集客に失敗したイベント。1回目は中止で、2回目も集客はお寒い状態。しかも半年以上、結局11月までかかってしまった。上司からは失敗から学ばない馬鹿な部下と見られてもしようがない。そんな時期にさくらの田中社長からこんなポストがあり、まさにこれだと思った。ホントに刺さった。

 

note.com

今回のイベントでもクライアントと合意のない期待をしてしまい、させてしまったことでお互いが不幸に陥った。多少面倒であっても、ゆっくり匍匐前進しながら、合意を取り付けていく必要があるプロジェクトってあるのだ。