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コロナ渦の中、主婦化してしまったお父さんの半年

緊急事態宣言から約半年が過ぎ、ビフォアコロナから生活は激変した。簡単に言えば、在宅勤務になった記者の私は主婦化し、かみさんは会社に通っていた頃の私になった。これは二人が働いている会社が真反対だからにほかならない。その過程をログっておこうと思う。


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弁当まで作れるようになった

 

在宅勤務にすっかりなじんだ私、バックツーオフィスなかみさん

 

私の勤め先はメディア企業で、IT関連を扱っていることもあり、在宅勤務やテレワークにはもともと理解がある。そのため、緊急事態宣言以降は全面的なテレワークにあっさりと移行してしまった。やりとりはすべてチャットになり、取材も発表会もすべてオンライン。中途半端に電子化されていた事務処理で紙や印鑑も不要になった。また、コロナ対応の就業ルールも厳しく、2日前までに上長の承認を得なければオフィスに入れず、今でも出張や会合も事前申請が必要な状態だ。そのため、家から30分程度にも関わらず、オフィスにはまったく足を運ばなくなった。

 

セル生産的な私の業務はどうやらテレワークには向いているらしく、外からの電話や割り込みもなく、快適に執筆や取材活動に専念できた。そもそも、ずっとマスクで働くなんて不快でしかないので、出社が解禁されても在宅勤務してきたが、チャットとWeb会議だけで外とつながっている仕事は、数ヶ月しても飽きたり、メンタルをやられたりということがなかった。紙だらけだったオフィスはリノベしてすっかりきれいになったらしいが、正直なくても困らない気すらしている。実際、メディアの同業者でオフィスをなくしてしまったところもあるようだ。

 

一方で、中堅の不動産会社に勤務するうちのかみさんは真逆で、ひたすら出社していた。もともと印鑑のつかれた紙の契約書を扱う事務仕事で、電話も多かったため、オフィスではないと難しいという判断だ。当然、テレワークの導入も難しく、4~6月は社用のPCを持ち帰って、週1~2回くらいで在宅勤務したものの、結局会社にある紙の契約書を確認する必要があり、仕事は半分もできなかったという。

 

しかも、少ない人数で大量の事務仕事をやっているため、長時間労働は常態化しており、かなりブラック。20時過ぎてもオフィスに人がいっぱいいるという前時代的な職場だ。当然、仕事の担当を分け合うとか、ローテーションするみたいな文化もなく、部署同士で仕事を押しつけ合っているので、人間関係もヒリヒリしていて、心理的な安全性もないという。かみさんから話を聞けば聞くほど、よく労基にササれないなとと思うけど、ブラック企業の一歩手前で残業時間を調整しているのだろう。

 

そんな会社なので、当然緊急事態宣言以降は、一気にバックツーオフィスしてしまい、かみさんはいまも毎日残業だ。面白いのは、十年くらい前に家に帰るのが遅かった頃の自分とかみさんの言動が同じこと(笑)。うちでは一応夕食は家族で食べるルールなのだが、帰るタイミングを失って家族を待たせるとか、ちょっと遅れると思っていたのが、結局数時間に延びてしまうのも同じ。結局、早く帰れない人は、早く帰れない言い訳と条件をきっちり備えているのだ。

 

この売り手と買い手が逆転した人材市場の最中でも、ボロボロが人が辞めているらしいので、かみさんが愚痴るたび、「さっさと辞めれば?」と提案しているのだが、転職が面倒ということで、いまのところ踏みとどまっている。ただ、この先はわからない。

 

在宅勤務の夫が主婦化すると弊害もある

 

そんな経緯もあり、この半年で私は完全に主婦化してしまった。かみさんの名誉のために言うと、たぶん1/2主婦くらいだ。かみさんは今でも家事はけっこうやっている。これまでも食洗機での皿洗い、お風呂掃除、朝食の準備、土曜日の夕食などは担当だったが、コロナを経て、私の家事量は圧倒的に増えた。なにより大きいのはかみさんの帰宅が遅いので、家にいる私がほとんどの夕飯を作るようになったことだ。

 

以前はカレーとか、麻婆豆腐とか、レトルトや具材加えるだけ系ばかりだったが、レパートリーはめちゃくちゃ増えた。肉じゃがやカボチャの煮物、きんぴらゴボウなども普通に作れるようになったし、個人的には用途と値段で肉の種類を使い分けられるようになったのが勝手に成長を感じる。いまはネットのレシピもいろいろあるので、冷蔵庫にあるものでなんか作れるし、もともと家には優良なレシピがあるので、やる気と財力があればメニューには困らない。夜寝る前にレシピ本を見ながら明日の夕食考えるとか普通になってきた。

 

じゃあ、 夫が家事をばっちりできるようになったら万々歳かというと、そうでもない。掃除や洗濯、皿洗いならともかく、食事の支度まで旦那がやってしまうと、正直かみさんが自尊心を失ってしまうのだ。実際にかみさんは「私だって家事が嫌いなわけじゃない」「早く帰ったら食事も全部できるのに」と言い出している。ここらへん、子供はよく見ていて、「やっぱりママのご飯が一番」みたいなことを言ってくれているので助かっている。

 

これからのお父さんは家事も育児もこなすべきだし、なにより生活力が高くなるのは絶対にいい。ただ、在宅で仕事しながら、家事は忙しいので、もう少しかみさんとも分担したいなあ。ちょっとだけでいいので、新聞読んで夕食ができるのを待っているような昭和のお父さんのような戻りたい今日この頃だw